青銅器時代。七つの国が一つの大陸にあった。きしむ氷の国、もえる山の国、かがやく森の国、かおる草原の国、きらめく川の国、よせる波の国、そして、とぶ砂の国。それらの国は対立して入り乱れての戦いをしていた。
イナバシは立派な青年で、とぶ砂の国の戦士だった。イナバシはゲアロッパを隊長とする部隊に属して、これまで多くの手柄を立ててきた。しかしそれは、彼一人の手柄ではなく、同じ部隊の仲間に支えられて成しえたことだと十分にイナバシは承知していた。そんな戦いに暮れる日々だったが、ある日ゲアロッパ隊長が部隊の新しい使命を隊員に伝え、その日を部隊が相手にすることになったのは巨人となった。巨人の国に潜入して、偉大な武器「ヒシバリ」を手に入れ、今の戦局を一気に変えようというのだ。
巨人の国。それは海を隔てた地にあり、巨人達は強大な力を持っていた。イナバシは戦士として戦場で戦いたかったが、隊長の命令に背くことはできない。イナバシを含むゲアロッパ隊は、偉大な武器ヒシバリを求めて巨人の国に渡った・・・