一寸法師

雑誌「世界で一番怖い日本童話」より

弓弦羽亜矢 作品

あらすじ

あるところに背の高さが一寸ほどの若者がいた。若者は年ごろだったが、小さいばかりに村の女子には全く相手にされないどころか、バケモノ扱いされる始末だった。この若者は、子供の生まれないお爺さんとおばあさんが住吉神社に願をかけて授かった子供だった。

ある日、覗きばかりして村の嫌われ者になった若者をお爺さんとおばあさんは家から追い出した。追い出された若者は、都に行き、あるお姫様に仕えることになった。

この若者、ナカナカの知恵者で姫の父である殿様を欺き、姫を旅路に出すように仕向け、そして自分を姫の従者として付き添わせることに成功した。こうして若者は姫を自分のものにしたのだった。やがて旅する二人の前に鬼が現れて・・・

解説

かなり伝承に近い話です。伝承では一寸法師は、おばあさんの大便の中から生まれたことになっていますが、このエピソードもさらりと出てきます。お爺さんとおばあさんに嫌われ家を追いだされるあたりも、伝承の暗さを払拭しつつも伝承通りの展開をしているあたりは素晴らしい構成力です。

記事公開日:2000.02.02
記事更新日:2004.09.17

世界で一番怖い日本童話

発行 ぶんか社
発行日 平成11年11月1日発行
雑誌コード
価格 定価600円
サイズ A5・平綴

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