ヒロシの友達は、怪物の国からやってきた怪物ランドの王子、怪物くんだ。怪物くんは、変身したり巨大化したり体を変形させることができる超能力を持っていた。
ある日、ヒロシの学級に背の低い粒野豆夫が転校してきた。彼は、小さいことを気にしていて、背の高い者や、体の大きな者に反発した。のっけから、学級で一番体の大きな出加とケンカをしてしまった。放課後になって出加は、粒野を空き地に呼びだした。それを知ったヒロシは、ケンカになることを予想し、ケンカを止めるため怪物くんと空き地に急いだ。しかし空き地にいたのは、粒野だけだった。
「き、きみだいじょうぶか」
ヒロシは変だと思いながらも、粒野を気づかって聞いた。粒野は出加を一発でやっつけたという。粒野の言葉をうのみにはできなかったヒロシだった。しかし、それ以上、粒野に聞くこともできなかった。
不審に思ったヒロシは、出加の家に行ってみたが、やはり出加は帰ってはいなかった。きっと出加は粒野になにかされたんだとは思いつつもヒロシには、それいじょう何も詳しいことは判らなかった。
その夜、布団に潜り寝ようとしたヒロシは、お尻を何かに刺されてしまった。ヒロシの姉が、布団の中を調べると、そこには親指ほどの小さな人間がいた。なんと、それは出加だった。
出加は、放課後の空き地で粒野に小さくなる薬をかけられ、あわや粒野に捕まりそうになったものの逃げ延びたのだった。そして、怪物くんと共に出加を元通りにするために粒野の家を探るヒロシだった。