戦え!ゆかりちゃん

単行本:美少女パニックより

渡辺ヒデユキ 作品

あらすじ 第1話:戦えゆかりちゃん

大怪獣タンスニゴンが現れ街を破壊し始めた。

一代博士と一人娘のゆかりは、大怪獣の暴れる街まで電車に乗り移動していた。ゆかりは博士の発明したビッグXYZという薬で巨大化することができるのだ。

一代博士はこの日が来ることを予見し、ビッグXYZを発明したのだ。しかし学会や世間からは狂人扱いされてきた。

「しかしこの瞬間から人生の檜舞台に踊り出るのだ。」

一代博士の声とともにビッグXYZは、ゆかりの尻に注射された。

みるみる巨大化するゆかり。ゆかりもまた、この日のために幼いころから空手の特訓をしてきたのだった。そしてスーパーアイドルを夢見てきたのだった。

あらすじ 第2話:ウルトラHなんて こわくない

ゆかりは憂欝だった。怪獣と戦ったときのことを早く忘れたいと思っていた。しかし父一代博士はそんなゆかりを放っておけなかった。

「たかが犯されるとこ見られた位でくよくよしてるんじゃねえェ」

ゆかりは父に諭され、一旦は挫けた最初の目的に改めて向かう決心をした。

そんなゆかりの前に別の怪獣が現れた。あっさり片づけたゆかりだったが、ゆかりの名前を公表するような雰囲気が・・・盛り上がりに欠けていた。一代博士がゆかりの名前の公表のチャンスをうかがっていたとき、空からウルトラがやってきた。

あらすじ 第3話:危機一髪はE気持

新宿に大怪獣が現れた。口から光線を出し、次々と更地にしていく大怪獣。それは、まるで地上げ屋のようだった。

「地上げ屋みたいじゃなくて、本物の地上げやなんだよな」

怪獣はロボットだった。ロボットのコックピットで男はさっさとノルマをこなして、一杯やりにいくことを考えていた。

そこにゆかりが現れた。

あらすじ 第4話:決斗!真昼のオナニー

銀座。のどかな日曜の昼下がり。歩行者天国に巨大少女ゆかりが現れた。

「今日はなんだ」

怪獣のいないときに現れた巨大少女の目的がわからず、いぶかる人々の前で突然レオタードを脱いだ。そして人々の間にゆっくりと腰を下ろすと、突然オナニーを始めたのだった。

あらすじ 第5話:必殺蛇責めに勝利を見た

ゆかりが家でシャワーを浴びているとき、突然父一代博士が浴室に入ってきた。ゆかりが怒る間もなく父一代博士は素早い動作でゆかりにビッグXYZを注射した。

家の屋根をぶち抜いて巨大化するゆかり。しかも裸だ。

「昆布茶沢博士が挑戦してきたのだ」

途中で着るものを調達したゆかりだが、それはバーゲンの大垂れ幕だった。

解説

あらすじからも分かるように、ウルトラマンとビッグXを合わせたパロディです。

初出は成人向けのリリパットというムック本ですが、リリパットという名前から想像するような巨人や小人の登場するような物語を狙ったムック本ではありませんでした。結局9巻まで発行されましたが、巨人や小人の出てくる作品は全巻通してこの作品だけです。なぜリリパットというタイトルにしたのか、よく判らないムック本でした。

さて、この話の主人公ゆかりちゃんは、はっきり言って弱いのです。巨大化した女の子がレオタードだけで武器もなく怪獣やロボットと戦うのですら、いくら体を鍛えていたからといっても怪獣相手に分があるとは思えません。しかしそこがこの作品の面白いところなのです。

誰よりも巨大なヒロイン。このヒロインが、ピンチに陥ること毎回。しかし、敵より弱いとはいえ、巨人となったゆかりちゃんを助けてあげることができる人はいません。観客(?)は為す術もなく、ゆかりちゃんがやられてしまうのを見守るほかないのです。ヒロインピンチを楽しむ話なのです。しかも大勢の目前でヒロインがピンチに陥っているのですが、誰も手が出せないという状況なのです。巨大ヒロインのピンチというのは、実においしいシチュエーションなのだということをこの作品は教えてくれます。

他の作品について

渡辺氏の作品は、このほかにも「巨大少女と呼ばれて」を紹介しています。

記事公開日:2000.02.04
記事更新日:2004.09.21

オ・イ・シ・イ年頃

著作者 渡辺ヒデユキ
発行 コスモ出版
初版 1990年9月10日
ISBNコード ISBN4-87683-034-7
価格 400円
サイズ 文庫・平綴

美少女パニック

著作者 渡辺ヒデユキ
販売出版 東京三世社
発行 フロム出版(LEコミックス)
初版 1989年2月10日初版
雑誌コード 雑誌55410-90
価格 700円
サイズ A5・平綴

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