ファンタジーと言うほどに巨大では無いかもしれませんが、それでもみのりの巨大さは現実の域を超えています。みのりの身長について特に明言はないので、絵から想像するしかありませんが、およそ4m〜5mといったところでしょうか。この大きさは非現実的でありながら妙に生々しく、特に卓弥が巨大な体を揉むところでは、張りのある柔らかさが伝わってきます。
卓弥とみのりが肉体を絡ますシーンが、冒頭間もなく始まるので、ストーリーらいしいストーリーはありません。むしろ、巨大な肉体と言うものが、どれほど魅力的なのかを物語るために構成が考えられています。常人から超越したみのりの体に、触ってみたいと思わせる描写が素晴らしいです。
作品の大半が、卓弥とみのりの肉体関係の描写で占められていますが、それこそがこの作品の魅力となっています。それだけに画力が問われるところですが、申し分無くみのりの肉体の素晴らしさが表現されています。その上、単に肉体だけが魅力の作品にはなっていないのです。
確かに卓弥の頭の中は、女性の体のことで埋められているに違いありません。本能的に行動しています。それでもなお、彼女のことを気遣う気持ちはあります。
初めての行為に痛いかどうか気遣っています。この体格差で痛いかもしれないと卓弥が思うのは滑稽ですが、それは卓弥が単に肉体だけを求めている訳ではない一面の現れとも受け取れます。このコマが無ければ、相思相愛の雰囲気は出なかったに違いありません。
第二話では、さらにエスカレートした二人の絡みが見られます。体育館で同級生達が大勢いる中で、二人だけの濃厚な空間での行為は、他にない新しいものです。
みのりの服の中にすっぽりと収まってしまった卓弥は、みのりの体で作られた閉鎖的な空間に酔いしれてしまいます。みのり以外のことが考えられない状況に陥るには、あまりにむリスクのある場所です。それでも卓弥にとって、そこは閉ざされた空間なのです。
絵で見ると、まるで卓弥が純粋におっぱいを求めてる赤ちゃんのようにも見えます。ですが卓弥は決して赤ちゃんに戻った訳ではありません。性への興味で衝動を抑えられない少年なのです。そして相手は、他に類を見ないほどに育った肉体を持った少女です。そして卓弥は肉体の探検をしている男なのです。ただその場所が女性の臭いでむせかえる少女の服の中で、その直ぐ側には同級生がいるのです。友達の声が聞こえる日常空間でありながら、じっとしていて為すがままの巨大な女体が目の前にあります。大巨人少女の服の中は、女性の肉体を探検する場所として完璧な場所なのです。卓弥は同級生にバレるかもしれないスリルを感じながらも、思う存分に女体の神秘を堪能するのです。
これだけ肉体が絡むシーンが多い作品でありながら飽きないで読めるのは、やはり二人の体格差のある行為が興味をそそるからでしょう。上手くコメディとしての雰囲気を交えながら、卓弥が巨大な肉体と格闘しつつ絶頂を迎えるのは絶妙な演出だと思います。
この話が回を重ねて単行本化されることを望みますが、連載ではなくて単発でも良いので、良く練られた濃厚な肉体関係の妙技を極めてもらいたいと思います。
追記:2016/4/30に発売されました単行本「半分玩具」に収録されました。