ミルク・ジャンキー

Milk Junkie

藤崎竜 作品

あらすじ

■舞台は、地球・現在

少女はお弁当を食べる場所を探すため、川沿いの道を歩いていた。ふと川岸に流れ着いたような箱に目が留まった。少女がその箱を開けた時から地球は破滅の道をたどることに・・・

■舞台は替わって、地球ではない地球にかなり似た惑星

無法地帯をひとりの少年が何かを探していた。そして少年は目的の場所にたどり着いた。そこには「暗黒薬局」と書かれたマンホールの蓋があった。さらにその蓋を開けて、穴の中を降りていくと、そこにはひとりの女がいた。女は薬剤師のバレンタインと名乗った。バレンタインと名乗った女に向かって少年は言った。

「ここに来れば、背が高くなる薬を買えるってさ」

少年の身長は130cm。背の低いことを気にして、少年は噂を頼りにここまできたのだった。バレンタインは立ち上がり、少年に近づいてきた。でつ、でかい。

少年の倍以上の身長のバレンタインにひるんだ少年だったが、バレンタインの質問にその想いをぶつけて答えていった。するとバレンタインは、少年の答えに気に入ったように言った。

「秘薬を処方しましょう」バレンタインは少年に一瓶の牛乳を手渡した。

翌日、いつのものように朝を迎えたエンダー。しかしその身長は130cmではなく160cmに変化していた。エンダーは噂通りの効き目に満足し、そして街の散歩を満喫いしていた。再び薬を求めてバレンタインのところに訪れたエンダー。しかしバレンタインは、後は普通の牛乳でも同様の効果が現れると言った。家に戻ったエンダーは、身長180cmを目指して牛乳パックを飲み干すと寝所に着いた。

翌日、目を覚ましたエンダーは、部屋一杯の巨人になっていたのだった。そして牛乳を飲めば巨大化することも判っていながら牛乳を求めて徘徊し、手当たり次第に牛乳を飲むエンダー。エンダーの体は、ビルよりも巨大な巨人となって・・・

(c) 藤崎竜

解説

ハメルンの笛吹き 、封神演義で人気を得た藤崎竜氏の作品です。この作品はそういった藤崎氏の独特のタッチがにじみだしているので、ファンの方なら一目見て彼の作品だと判るでしょう。

牛乳で背が伸びるというのは、半分迷信です。カルシウムの一方的な摂取は、カルシウム不足の原因のひとつです。カルシウムを体内に確実に取り込むためには、マグネシウムなどの媒体が必要です。でも、もし、摂取したカルシウムを100%取りこめるように体を変化させる薬があったらどうでしょうか。バレンタインの薬はそうした薬だったのかもしれません。

さてバレンタインの薬がどういうものであったにせよ、背の低いという悩みは、どんなリスクを払っても直したいいと思うことでしょう。そういった真剣な悩みこそ、つけ入る隙が大きくなるものです。で、つけいれられたエイダーは、望み以上の身長を得て巨人になってしまいます。お願い事が望み以上になって身に降りかかる災いとなるのは童話のパターンですね。巨人となったエイダーが待ちで暴れるあたりには、何気なくパロディを入れたり、効果音で遊んだりしていますが、こうした遊びが作品を暗い童話のパターンを追い出していて面白い効果を出しています。

ところで、この話は地球ではない別の惑星で進行します。でも冒頭は地球から始まるのです。その関係は、最後の最後に判るようになっています。

記事公開日:2001.02.25
記事更新日:2006.10.23

DRAMATIC IRONY

発行 集英社
初版 2001年4月9日
ISBNコード ISBN4-08-873093-3
定価 390円(税別)
サイズ 一般コミック・平綴
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eジャンプ 《2000年1月18日増刊号》

発行 集英社
初版 2000年1月18日
雑誌コード 雑誌29938-1/18
価格 476円
サイズ B5・平綴

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