シンジは、世界征服を企む地獄団と戦う国際デカだった。一方でシンジは高校生でもあった。普段のシンジは普通の高校生だったが、地獄団を追いかけるため天候が絶えなかった。転校した高校に、初登校したシンジが見たものは超巨大な女の子だった。
幸子という名の可愛らしい女の子だったが、その桁外れの大きさが、地獄団の侵略ロボだということを物語っていた。しかし彼女には、侵略という言葉がまったく似合わない。その帰り道、なんと彼女はシンジにデートを申し込んできたのだった・・・
© 石田カスタ
解説
巨大少女といってもロボットなので、このライブラリの趣旨とは外れてしまっていると言われればそれまでですが、自立したロボットで高校生(?)らしい心とも呼べるものを持っているのでライブラリに加えました。
ロボットだと知りつつ、かつ巨大な相手に恋心を抱く主人公に違和感を覚えるかどうかは、読み手である皆さんのご判断に任せることにして、主人公と巨大少女の恋愛沙汰はコミカルで面白く読み通せます。
学校に通う巨大少女の授業風景は、MORUMO 1/10を彷彿させます。教室はもちろん、校舎にも入ることができない巨大な体。そんんな幸子が、窓の外から覗き込むようにして授業を受ける姿は、巨大女子高生もるもとオーバーラップします。しかし幸子は、生身の人間ではありません。白瀬もるもと沖実晴が幼なじみであり、小さい頃から実晴がもるもの巨大さを十分に扱えているのに対して、シンジと幸子が初対面なのです。女子高生の容姿で造られた幸子は、いきなりシンジの前に現れるのです。
そんな幸子とシンジは過去の関係を待たず、幸子の巨大さに圧倒されるシンジのコミカルさが生まれるわけです。破天荒な初デートの面白さも二人が初対面ならではのものです。ツボにはまる読者も多いに違いありません。
またこうした面白さは、非常識な背景の説明抜きに進むコミカルさのテンポも関係しています。読み切り掲載の漫画ですので、面倒な説明を省けるだけ省いて物語の展開だけにする必要もあったのだと思いますが、それが功を奏してテンポ良く読める作品になっています。読み切りならではの面白さが、この作品にはあります。
記事公開日:2006.11.06
記事更新日:2006.11.06
ウルトラジャンプ 2006年11月号
発行 | 集英社 |
発行日 | 2006/11/25 |
価格 | 本体505円(税別) |
サイズ | B5・平綴 |
雑誌コード | 11813-11 |
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