私は小さな一寸法師。宇宙を旅していたのですが、目の前に緑の見渡すかぎりの広大な壁が現れたのです。私はこの壁に行く手を阻まれ、旅を続けることが不可能になってしまいました。私が船外に出てみると、そこには幾多の宇宙船が、寂しげに墓標となって壁に刺さっているのが見えました。
その時、頭上に趙のような羽を持った人間が現れたのです。彼女らは、宇宙の果てに住む妖精達でした。私の目の前で彼女らは、仲間の一人を捕まえようとしていました。それは、壁の向こう側にいる、乱暴な大王に生け贄にするためだったのです。
見かねた私は、この哀れな生け贄を救うことにしました。ザイル一方を壁にいる妖精に預け、もう片方を自分の体に結びつけました。そして、生け贄となる妖精のアナポコに入っていったのです。体内に私を収めた妖精は、そのまま大王の世界に通じる壁の穴に投げ込まれました・・・