アウラ

すごい伝説 - 序章 -

田中雅人 作品

あらすじ

現代を遡ること1万年の太古の時代に、大国がありました。その名前はオルガニア。オルガニアには可憐な王女、アウラがいました。

アウラの家庭は円満ではありません。アウラの父であるルカ王は家出。原因は母オルガ3世のサディスティックな性格。ルカ王は、次元ダイナモで過去とも未来ともわからぬ時間の果てに逃亡してしまったのでした。

父の消息の手がかりは、サンダルに踏まれた三葉虫の化石。そこでアウラは、一大決心をしたのでした・・・


学園一の人気も高い雪印なゆみに、アタックすることを決心したミナト。しかし、一大決心はむなしく散ることに。しかも告白したために星雲学園パンクス3人組に絡まれてしまった。なんと雪印なゆみは、ウラ番だったのだ。

暴力的なことが苦手なミナト。3人組から逃げ出すことに必至だったが、逃げ出すことはできない。そんな中、爆風と共にひとりの少女が現れた。

「あのー、あなたたち三葉虫ですか?」

その少女こそ父を探しに旅立ったアウラだった。アウラはジュラ紀中期のアジア目指して時空を超えて来たが、ちょっと2億年ほどずれ、そしてここに現れたのだ。パンクス3人組が、アウラに手を出そうとしたその瞬間、アウラは忽然と姿を消しまった。

消えたわけでは無かった。アウラは3人組の足もとにいた。

「こんなところで縮退モードに…」

アウラの意志とは関係なく、人形サイズに小さくなってしまったのだ。アウラは一計を案じ、ミナトの肩に乗り、ミナトに声を出さないように指示した。小さなアウラに驚くミナトの拳を抱えたアウラは、その拳を3人組にたたきつけた。

その夜アウラは元の大きさに戻り、ミナトの家にいた。

翌日、学校にアウラの母オルガ3世が現れた。目的はもちろん、アウラを連れて帰るためだ。アウラは戻りたくない一心で、オルガの繰り出す力に反抗した。力は拮抗し早い展開を期待できないと考えたオルガは、カプセル大番長を召喚した。

あっという間に大番長の巨大な手に捕まってしまったアウラ。しかしアウラにはまだ奥の手があった。

「核半径二乗モ〜ド!」

そう叫ぶとアウラの体は、大番長と同じような巨人になっていた・・・

解説

序章1ページに続く本編にも「序章」と記載があります。この序章と付いているのは長大な物語が背景にあるんだよと感じさせるための演出であるか、単なる編集のミスか、それとも本当に作者が続きを考えていたからなのかもしれません。気になるところですが、この作品自体はこれで一応完結しています。

小さくなったり、大きくなったりする人間が出てくる物語は、映画やアニメなどの作品では多く見ることができます。しかし意外にも、マンガ作品では少ないようです。おそらく巨大化したり縮小化するシーンは、マンガでは表現しづらく、一方 映画やアニメなどでは見せ場として面白いため、マンガ作品では少なく映像作品に多く取り入れられるのだと思われます。

内容的には、よくまあ、このページ数でこれだけのエピソードを挿入したものだと感心させられるほど、多くの展開を詰め込んでます。そのため話の展開が異常に早く、あれよあれよという間にエンディングに導かれていきます。こうしたSF的な話にかかせないのが舞台設定ですが、その辺りも細かく考えられています。そうした設定等は、どうでもよいと言わんばかりのスピーディな話の展開で、それがこの作品の持ち味になっています。キャラクターの性格もよくでて、コミカルな作品の仕上げに抜かりなく参加しています。

アイディアを惜しみなく放出しながらも丁寧な構成の作品で、是非読んでもらいたい作品です。

記事公開日:2000.01.29
記事更新日:2004.09.17

ドラゴン・シャフト

販売出版 徳間書店
発行 徳間オリオン
初版 1994年6月20日初版
ISBNコード ISBN4-19-830009-7
価格 税込定価990円
サイズ A5・平綴
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