この話に登場する巨人は生身の人間とは言難いと思います。そうした意味で当サイトの趣旨からは微妙に外れているようにも思えます。しまし、紹介するに値すると考えました。
死んだ人間を巨大化させ、怪獣と戦わせようという発想は面白いと思います。ゾンビが全面に出てくるので嫌だという方もいらっしゃることでしょう。それでも作品としての価値はあります。
死体を集合体として組成することができれば、巨人を作りだすことが出来ます。単純にたし算の考え方です。実際には、その骨や筋肉の強度を考えると、そのまま死体を使って作り上げても立つこともできず、もしかすると横たわることすらまともにできないような弱い体になってしまいます。しかしそのままの組成でないとしたら、人間を薬や機械によって巨大化させるよりも現実的な方法なのかもしれません。
もっともこの作品は、死体を集めて巨人を作る話としてまとめるつもりはないのです。そしてこのようなアイディアは、珍しいとはいえ他にも見ることが出来ます。そうした他の話があるからこそ、パロディとして成り立つ作品なのです。この作品の目的は、ゾンビを口実にした巨大ロボットもののパロディであるからです。
ゾンビ化は、それだけでも死体を冒涜するともいえるものでしょう。それに輪をかけて、ゾンビをロボット化して自由に操ろうというのです。まじめに考えたら不謹慎きわまりない話ですが、それこそがパロディの真骨頂なのだとも言えます。大いに笑ってあげましょう。