ある夏の暑い日、一人の男が巨大化する。前触れもなく突然巨大化した。男自身なぜ巨大化したのか思い当たる節もなく、ただ驚くばかり。政府もこの巨人の扱いについて、困惑するばかりだった。
当初、男が絶望と悲壮感をその巨大な体で表すのを見て、人々は好奇心とともに同情を寄せていました。でも、この巨大な男が一般社会で生きていくには、厳しい問題を解決していかなければならなかった。
確かに、身長50mある人間の食事だけで、小さな街を維持するのも同様の費用が発生するのだ。それに小さな街が出すのと同じ量の排泄物の処理も重要な問題になっていた。やがて男は、ただ社会のやっかいものとして、公害の元のように扱われる。
マスコミや世評は、そんな巨人を巨人獣と呼ぶようになり、ますます人間扱いしなくなっていった。巨人はそんな自分の存在がいやになり、台風が接近し大荒れの太平洋に投身自殺を図る。しかし死にきれず、静岡県御前崎に漂着した。さっそく自衛隊が警戒に当たった。
人間扱いされず死ぬこともできなかった巨人は、だんだん心がすさんで、とうとう自衛隊と一悶着を起こすことに。自衛隊の戦車は巨人にとっておもちゃみたいなものだった。巨人は自分に対してまったく歯がたたない自衛隊に、小水をあびせるなど悪態をついたが、結局むなしさが込み上げてくるのだった。
そんなとき、大阪に今度は女の巨人が現れてあばれだす。自衛隊が麻酔用のミサイルを準備、このままでは彼女が危ないと思った巨人は大阪に向かうのだった。