ななこSOS

第5話 ななこ初恋

吾妻ひでお作品

あらすじ

ななこは人間の能力を超えた力を持つスーパーガールだ。しかし、気が弱いため人をなっぐたりすることなんかとてもできない。なので、悪人と戦うなんて論外のスーパーガールだ。

巨大化した ななこそんなななこの超能力を活かして金もうけを行う四谷。ななこをモデルにまんがを描こうとする水道橋。今日もよろず会社(よろずカンパニー)に集まっていた。

ところがななこの様子がいつもと違う。ななこは恋に落ちていたのだ。ぼーっとするななこに煮えを切らした四谷が、ななこにコントローラーをつけた。そして、ななこを操縦する四谷は、飯田橋に操縦され、飯田橋は猫に操縦されることに。これで人道的問題は解決?したかに思われたが、なんと猫は誰かにコントローラーを取り付けられ操縦されていた。それはDr.石川の仕業だった。Dr.石川は、猫を操縦してななこを誘拐していった。

どのくらい気を失っていたのだろうか。ななこは目を覚ますと見知らぬ部屋に。誰もいないので拘束具を破壊し、部屋を破壊して外に出ると、なんとななこは巨大化していたのだ。しかもコントローラーが頭についている。ななこは自分の意志とは関係なく、街を破壊するのだった・・・

解説

吾妻ひでお氏は、巨大な女の子が好きなようで、いくつかの作品に登場しています。たいていは、不条理な世界の一部としてでてくることが多いので、その点で今回のななこは他の作品とはちょっと色が違います。ななこSOSシリーズは、ロリコン路線を狙って描かれたものなので、ロリコンのツボを押さえようとしていました。そうした中にDr.石川の登場があり、そのマッドぶりを強調するのとともに、作者の趣味が高じて巨大娘の登場と相成りました。

巨大化してもななこは弱い性格のままで、そのあたりに作者の「どうだ巨大娘も可愛いだろう」という意図を感じます。こんな女の子がいたら踏まれてみたくなるのも道理?と、無理やり趣味を押し付けてきますが、嫌みにならないのは吾妻氏の絵のタッチのせいでしょう。こういった「か弱き巨人の女の子」というのは、永井豪氏の作品群にみられる「強い巨人の女」と対極にある巨大娘像として見ることが出来ます。

記事公開日:1999.07.05
記事更新日:2004.09.17

ななこSOS 《第1巻》

発行 マガジンハウス
初版 1996年3月
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サイズ 平綴
ISBN 4838707770
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ななこSOS 《第1巻》

発行 光文社
初版 昭和58年6月15日発行
雑誌コード 雑誌05178-6
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サイズ B6・平綴
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