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GTS・小女子幻想歌集・・・川上史津子『恋する肉体』 笛地静恵 削除
ある読者の方が、魅惑的な歌集を送ってきてくれました。
『恋する肉体(からだ)』
川上史津子(かわかみしづこ)
2002年5月31日 第一刷発行
飛鳥新社
1600円+税
巻末のプロフィールに寄れば、川上史津子さんは、1971年に神奈川県に生まれました。日本大学芸術学部演劇学科を卒業されて、女優として舞台を中心に活躍中とのことです。ポートレートがあります。美しく気品のある方です。刊行当時、31歳。
二十代の自分の人生の断面図のいくつかを、歌でとまとめられたのだと思いました。日常の記録ではなくて、SEXの時に主題が絞り込まれています。
女性が、性の喜びを表現しても恥ずかしくはないのだと、みんなが考えることができる時代になってきましたが、その時代の先端を優雅に大胆に舞う、短歌作品と言えるでしょう。
千年以上前の平安時代。女性の男性の訪問を待つと言う形の恋。ひたすらに忍ぶしかない恋という世界。そこから、大きく状況が変化しています。
たとえば、表題に「道玄坂上pm9:47」とあります。渋谷のラブホテルに男性といるのでしょう。午後十時少し前。食事を済ませて二人で部屋へ。そこでの経験の歌という設定になります。読者は、秘め事を覗いているような気分になります。
彼女は家から外に出て、男性を求めて果敢に活動していきます。ほれたり、ふられたり。恋愛の遍歴物語が語られていきます。
まずGTSフェティシズムという観点から、女性の本音が聞こえるようで、わくわくするような歌を紹介します。
1/
こんなにも拡がる私の真ん中に服従している男のツムジ
女性の視点からの歌。男性の器官を見下ろしている図。拡大しているのですから、太いものが割れ目に挿入されているのでしょう。
ピストン運動の合間。ピンク色の愛液に濡れた男の亀頭が見えた。こうべを垂れた男の頭部のよう。おもしろく痛快だった。力づくで征服しているようでありながら、これこそが男の正体。
一瞬の笑い。
上の句「こんなにも拡がる私の真ん中に」と下の句「服従している男のツムジ」の間に、少しの時間の経過があります。短歌を読み慣れていないと気が付かないことなのであえて指摘しておきます。
それにしても、「真ん中」という指摘の的確さにびっくりしました。言われればその通りなのです。そこで繋がっているのです。歌人の鋭い観察眼が見せてくれる光景。
そのままに取れば、ペニス大に縮小された中年男が、あそこに挿入されている光景のよう。この濡れて頭部に張り付いたツムジの毛は、すでに薄くなりはじめているのでは。
2/
威張っても小さな呻き声あげて私の坩堝(るつぼ)で跡形もなし
そのまま。想像できますね。
3/
一瞬も乾く隙(スキ)などないように我の唾液(ヨダレ)でくるんであげるよ
大量の唾液に全身がまみれて。鼻にも口にも浸入しているでしょう。
4/
めりめりと音立てて棒呑み込んで決して崩れぬ夏の砂山
夏の海辺。子どもの頃に遊んだ記憶。今、浜辺で海水に濡れた身体に隅々まで砂をまといつかせて。童話のような無邪気な光景。
5/
堪(たま)らずに漏(も)らした声に相槌(あいづち)を打つ生き物が掌(て)の中にいて
小人の命を文字通りに掌中にして。握りつぶすことも思いのまま。
6/
五分でもいいの神様あの男性(ひと)を強姦できる腕力(チカラ)を貸して
もしも、長いが叶えられたら。ここから、一編のファンタジーが生まれるでしょう。
7/
自らを求むる者の為に待つ私の門はいつも大きく
女神のような巨大女性が、大股を開いて小人たちの頭上に塔のように聳えています。
8/
唇で雁首(くび)の周りを締めつけて軟口蓋であなたを殺す
殺して欲しいです。
9/
襞々(ひだひだ)の奥をどこまで探っても見つけられない私自身は
それでも、探したいのがGTSフェティシズム。胎内回帰願望。
もちろん、こういう特殊な読み方ができる歌だけではありません。作者の女性の優しさが感じられる名歌をさらに三首。
10/
聴きたいの我慢できずに漏(も)らす声もっといっぱいなめてあげるね
11/
口唇(くちびる)でなぞる貴方の強張(こわばり)の浮き出す筋の先の先まで
女性でないと、見ることができない視点。根本の方から、固い幹をつたい、はいのぼる蔓のような太くなった血管。それらを上へ上へとたどりながら、キスをしている。それは、亀頭の周囲の溝に達している。さらに先へと球体を登っていく口。やがて裂け目にたどり着く。
12/
打算なくただ唯(ただ)喜んで欲しいだけあなたの体温ゴクリ嚥(の)み込む
ありがとうございます。こちらこそ、ごちそうさまでした。「体温」というところに、女性の実感があるのだろうなと思います。今まで男性の身体の一部分であったもの。それを体内に入れること。二人の体温が混じり合う時。
次のような小女子願望の歌もあります。こちらの方が強烈で、迫力があると感じる方もいらっしゃるでしょう。
13/
クシャクシャに丸めて欲しい掌(て)の中でどんな形も思いのままに
14/
口腔で足の指から消化(とか)されるハラペコ大蛇に呑まれた私
15/
1/10スケールの縮尺で貴方の口腔(くち)に溺れてみたい
16/
背後(うしろ)から串刺しにされ潰(つぶ)されて溺れ死のうかベッドの海で
興味のある方は、ぜひお手にとって、すべての歌を鑑賞して頂きたいと思います。
笛地の本には、ピンク色のペンで作者名が書かれてあります。貴重な品を頂いたことに、この場所を借りて再度、感謝を申し上げておきます。ありがとうございました。
(注記:カッコ内のふりがなは、作者のつけたものです。)
笛地静恵
(2010.3.11)
2010-03-11
投稿者によって削除されました 削除
2010-03-11 23:45:00
女性らしい視点ですね X-Virus 削除
沼 正三の「ある夢想家の手帳から」と双璧となるような本ですね。
2010-03-14 09:15:34
少し補足します。 笛地静恵 削除
X-virus様へ。
沼正三氏の「家畜人ヤプー」の女性を崇拝しているようでありつつ、実は知識と力という強大な男性原理で女性像を変形し、がんじがらめにした妄想世界とは、対極にありますね。女性が感じている世界の素直な姿。
今までの引用ですと、単にエロいだけの春歌集のように読めたと思います。一面だけの紹介です。以下のような性の渦中であっても、孤独を意識せざるを得ない男女の関係の真相。それらも、きちんと見て歌っています。追加しておきます。
17/眼を閉じて舌を絡(から)めてふと気付くあなたの顔が思い出せない
18/声高(こわだか)にゴムの皮膜が主張する“あなたと私は他人である”と
19・大袈裟(おおげさ)なぐらいに声を出してみる騙(だま)されてみる君も私も
2010-03-14 10:33:38
笛地静恵さまへ。 翔鶴 削除
みどうれいさんのサイトの掲示板で、たしか2、3年前の初夏(5月ごろだったと思います)に、笛地さんに書き込みのお返事をいただいて(兵器擬人化の軍艦嬢の話から、パトレイバーとかいろいろ楽しかったです)大変嬉しく思ったのがまるで昨日の事のよう、とはあんまりにも野暮ったい言い回しですがw みどうさん、Pzさん、北原冴子さんにもお世話に、というかご迷惑おかけしたような印象しかありませんが…(汗 とにかく懐かしく思い出します。
あの時は「しょうかく太郎」というハンドル名を使っておりましたが、いまは面倒なのでただ翔鶴、と名乗っています。「翔鶴(しょうかく)」は旧海軍の軍艦、航空母艦「翔鶴」にちなんだもので、本名の下の名前が同じ字を使っているので借りてきたものです。
本来でしたら、みどうさんの掲示板に書き込むのが通すべき筋ですが、ネットでうまく話をすることは難しいので(今年で24ですが私はまだ幼いし)こちらに書き込みたいと思ったので、この場をお借りいたします。
あらたまって何なのかと言いますと、これは自分の身の上話になるのですが、動画共有サイト「ニコニコ動画」で今、大変な動きが起こっているのです。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm9664543
↑なつかしの巨大フジ隊員!いえ、メインはメフィラス星人ですが。(これは前にも別の書き込みで投稿したものですが、話の進行上要るのでリンクします)
なにやら妙に高画質な動画。いったい誰が投稿したものなのか?youtubeなど、違法な動画がUPされ続けているのが共有サイトですが、ニコニコ動画においては現在別の巨大な動きが闇の中で起こっているのです。(思わせぶりな言い草ですみません。私のこの話は、真実なのか詐欺的なものなのか、あるいはただの妄想にもとれるでしょうが、笛地さんやX-virusさんなら私が何が言いたいのか汲み取ってくださるだろうと思い、書き込みしたのです)
http://www.nicovideo.jp/watch/sm9552461
↑これは「ゴジラ 魔神狂宴」という映画の予告編風のMADという種の動画作品です。映画作品の映像を編集してこういうのを作る人はいっぱいいますが、どうにもこれは素人が作ったにしては手が込みすぎているし、用いられている特撮シーンが素人には用意できそうに無いものだ。となれば、作ったのはプロに違いない!…というか、自分自身は事の舞台裏を知っているのですが、あんまりぺらぺらしゃべるわけにもいかないものでして(苦笑)
缶コーヒーのCMにゴジラが出ていますが、数年前の映画「FinalWars」がどうやらコケたらしい、と。次にゴジラをやるのなら必ず当たりそうな新しいアイディアを出せるものが必要だ、それでなければ怪獣映画なんて(他の、ガメラもモスラもラドンもバランも)つくれないらしいのです。同じように円谷プロダクションも苦境に立っているらしい、と。この間のウルトラマンだらけの映画も今ひとつの興行成績で、このままではウルトラの歴史も死に絶える事にもなりかねないらしいのです。
そんなところに、自分がのこのこ出て行って「ゴジラ好きですよ。今は只のアルバイト労働者ですけど、いつかゴジラやりたいですよ!アイディアだけなら売るほどありますよ」と書き込んで咆哮(笑)したら様子が変だ。どうやらニコニコ動画には本物の映画監督やら特技監督やら業界関係者の皆様が潜伏して、私みたいなのが来るのを待っていたらしいのです。
自分のハンドル名は軍艦にちなんだものですが、「処女航海」とか「姉妹艦」という言うように、英国の伝統で艦船を女性に例えるのが世界的な習わしになっています。本を読むと「彼女の生涯は武運に恵まれなかった」とか、巨大娘的描写が見られます。男のロマンですねw
巨大フジ隊員にしても怪獣にしても擬人化軍艦娘にしても、笛地さんの好まれる、沼正三的世界(自分はヤプーは未読ですが…)の対極、男の自分が世界の全てに女性を見出して巨大なものを造る、ということなのじゃないかと思うのです。
http://mil.homeip.net/ ←制服兵器兵站局へのリンクです。
思えば自分は宮城県気仙沼に生まれ、親父は小さな造船所の親方をしている職人で、爺さんは半農半漁。爺さんは戦争中は志願して陸軍の兵卒として参戦していたそうですが(ミンダナオ島に行って住民から芋もらって食って生き残ったりしたそうです)、親戚には零戦乗りだったおじさんまでいると言う、潮の香も高き「海系?」の家系でありました。
とりとめのない長い文章、失礼いたしました。とにかく自分の方もテンパっておりましてw
http://com.nicovideo.jp/community/co10902
↑ニコニコ動画のコミュニティでひょんなことから「パトレイバー」のコミュのオーナーをしているのですw よろしければどうぞ。
2010-03-16 16:39:15
翔蔓さまへ。 笛地静恵 削除
たしか少女の姿をした巨大戦艦という設定を考えていた方ですよね?
お久しぶりです。
長いお手紙で、何を笛地に求められているのか、今ひとつはっきりしないのですが。
以下の部分からネットで、プロの方からのアクセスがあったのではないかと想像しました。
>どうやらニコニコ動画には本物の映画監督やら特技監督やら業界関係者の皆様が潜伏して、私みたいなのが来るのを待っていたらしいのです。
何かでその分野に詳しいということで、意見を求められるということはありますね。
笛地も、いくつかのCMに企画段階で、協力させて頂いたことがあります。
別にてんぱる必要も、臆す必要もありません。
自分の考えるところを、正々堂々とのべましょう。
福澤諭吉の「天は人の下に人を作らず」という理想は、ネットの時代になって、始めて現実的に実行可能になったように思います。
誰の発言も、平等な価値があります。
翔鶴さんの個性を発揮してください。
ただし、悪質な詐欺まがいの行為もあるようです。
ご注意ください。
今、特に東京都の例の『非実在何とか』の件で、ネットは大揺れに揺
れていますから。
2010-03-17 10:23:01
投稿者によって削除されました 削除
2010-03-17 11:50:06
笛地さんへ。 翔鶴 削除
[削除]
>少女の軍艦
そうです、その者です。覚えていてくださって嬉しいです。
>テンパる必要
状況のあまりの大きさと、それに比して自分の卑小さにびびっていまして、テンパらざるを得ず、長文だし伝えたい事がよくわからない文になってしまいました(汗
確かに「本物の映画監督とかが自分を必要とした。ネットでのつながりだけだけど」という話は自分でも詐欺か何かじゃないかとは思いますが(ネットは悪い人間ばかりですし)、今度の私の話は全部ほんとうなのです。
(いえ、多分、ですが…。しかし騙されてるんだとしたら自分ひとりが泥をかぶるだけですし、金を振り込めとかもないですし、自分の敬愛するもののためだったら別に騙されたって悔いはありません)
例えばシュリンカーですとか、笛地さんの好まれる沼正三的世界とは対極にあるもの。ウルトラマンもそうですし、怪獣だって本質的にはヒトじゃないかと自分は思うのですが、英国の伝統で女性に例えられる艦船もそうですが、人間が古よりそれを求め続けて(絶対に手に入れられないと、この世に具現する事などないとわかっていながら)きた、巨人という人の心の深いところから生まれてきたもの。
「巨人クレーン」とか「巨人(航空)機」とか野球のジャイアンツとか。考えてみれば私たちの世界は昔から今まで巨人をずーっと欲し、慕い、そばに置き続けたのではないでしょうか。
人間(人類、という言い方は持病的誇大妄想の気がある気がします)は文明の発展と共に、資源や自然や、世界の全てを喰いながら生きてきた、おぞましくも哀れな巨人だったような気がします。しかしながら、だったら「いっそ滅んで全てを補完しよう」というエヴァ(ヱヴァ)的滅亡論に至る事は最もいけないことなのだ、と思ったりします。
つまり、私がこの場をお借りして笛地さん(いえ、私の話を聞いてくださってお返事くださるなら、どなたでも大歓迎ですし嬉しいです)にしたかった話と言うのは、「巨人(性的嗜好、あるいは性倒錯としても、Giantiss)についての思索と意見の交換」であったのだと、やっと考えがまとまりました(若さゆえの過ちでしょうか…ご迷惑おかけします)。
2010-03-17 11:53:52
もう一度、翔鶴さまへ。 笛地静恵 削除
>「巨人(性的嗜好、あるいは性倒錯としても、Giantiss)についての思索と意見の交換」であったのだと、やっと考えがまとまりまし。
了解しました。
しかし、ここは、川上史津子さんの歌集の紹介の場です。
別のツリー「GTSフェティシズムとはなにか?2010」を立てます。
そちらで考えましょう。
よろしくお願いします。
2010-03-17 13:55:26
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