イギリスはソールズベリーのいなか町。町はずれの古いお屋敷。もと貴族、コンウェイ家の朝から、物語は始まります。
ルネとクライドは相思相愛。ルネはコンウェイ家の一人娘。クライドはコンウェイ家の使用人。立場の違いなどふたりには全然関係のないことだった。その朝コンウェイ家の当主、つまりルネの父に見つかるまでは、二人の間になにも問題はなかった。
二人の関係を知ったルネの父は、二人の交際を認めようとしないどころか、クライドを首にしてしまったのです。そしてその夜、ルネの部屋の窓の外に現れたクライドは
「3年、3年たったら迎えに来るよ」
と言って、ハンブルグのおじさんの会社に勤める決意をルネにするのだった。ルネとしては、駆け落ちも辞さない覚悟だったのだけれど、クライドにいさめられて家に残り、クライドが迎えに来るのを待つことにしたのだった。そして月日は流れいった。
ある日、クライドのおばあさんが過労のために倒れ、ルネはクライドに一度戻るように手紙を出した。ところがその手紙は転居先不明で戻ってきたのだった。ルネは自分がハンブルグに行き、クライドの消息を確かめることを決意、ルネは髪を切り、男の子の格好をして父に内緒で家を後にした。
ハンブルグに着いたルネは、以外と簡単にクライドの行き先を知ることができた。クライドはスイスに行ったのだという。ルネはクライドに直接あうことにしたが、スイスまでの旅費は持っていなかった。そこで、ヒッチハイクしながら行くことに。ところが最初に止まってくれた車は、本道をそれて山道に。男は同性愛者で、ルネを男の子と信じて、いたずらをしようとしたのだった。しかしルネが女の子だとわかると、山の中に捨てて去ってしまった。山中にひとりのこされたルネが歩き進んで行くと、そこには古い屋敷が・・・
ひょんなことから一緒に旅することになった妖精アルファル。あるフィルは繊細できれい好き。そして端麗な顔立ちは、誰が見ても女性だったが、実はれっきとした男の妖精だった。彼のおかげで、旅するための費用には問題がなくなったルネだが、肝心のクライドを見つけることは簡単にはいきそうになかった。
モンマルトル。裏通りの安下宿にルネの姿があった。人口1千万人のこの街で、ひとりの人間を見つけるのはたやすいことではなかった。それはルネも承知していた。だから、宿屋ではなく下宿なのだ。しかし、手がかりすらつかめそうになかった。
アルフィルの友達のネズミの活躍で、クライドの居所をつかんだルネは早速その宿屋に向かった。しかし、クライドはひと足早く出かけてしまっていた。彼の行く先はマルセイユ。外人部隊に入ろうとしているのだ。軍隊に入ってしまったら、ルネにはどうにもならないだろう。ルネはマルセイユ行きの列車が発着するリヨン駅に向かった。
マルセイユに着いたルネ。しかしクライドの手がかりは全く無い。とりあえずアルジェに向かう船を探すことにした。