矢寺圭太
公開日:2013.07.04
更新日:2014.07.08
■あらすじ
突如街に現れた怪獣。と同時に、巨大な女子高生も現れ、街は騒然としていた。しかしパニックを起こしたのは、街にいた人々ではなく、巨大な女子高生の方だった。
巨大化する前の彼女は普通の女子高生。大好きな先輩に告白する勇気と力を流れる星に願う、恋多き青春真っ盛りの女の子。
しかし、流れる星は実はところが得た力は、宇宙の戦士としての力。しかも何の技もない巨大化。現れた怪獣にいきなり巨大戦士として戦うことになってしまったのです。
光線技など何もなし。素手で怪獣に立ち向かう巨大少女。ただひたすら大好きな先輩を守るため…
■解説
輝く流れる星と同化して得た力。そうして得た力が巨大化ですから、ウルトラマンのパロディと言ってしまうのは簡単です。が、すでに多くの作品が輝く流れる星から力を授かることを巨大化のための記号として使っていて、それだけでウルトラマンのパロディと決めつけるのは少々乱暴だと最近は思うようになりました。巨大化能力をどのようにして得たのかは、むしろあまり重要じゃなくて単なる記号的にウルトラマンが使われているように思えるのです。
突如巨大化した女の子が怪獣と戦う話はありますし、巨大なだけで他に取り柄の無い女の子という設定も、今ではさほど珍しさはありません。これが10年前なら、巨大少女というだけで珍しく新鮮な作品として受け入れられたと思います。そうした新鮮さはありませんが、逆に期待を裏切らない面白さがこの作品にはあります。商業誌にしてはマニアックな巨大娘のツボを押さえた作品だと言えます。
ほのぼの系の可愛い女子が、巨大化して大怪獣と直接対決。街を守るためではなくて、先輩を守るために頑張る一途な少女の思い。彼女には必殺技は無く、怪獣から白い粘着性のある液体をかけられたり、野次馬達にアオリアングルでパンツを撮られたり、一方的に怪獣に蹴られたり…。マニア心を良く分かってらっしゃると言うべきか、一般的に見て少数派であろう読者のために思い切って巨大娘を描いてくれたことに感謝したいと思います。
ところでネタバレになりますが、彼女は巨大化したまま終わっています。その後の彼女が気になるのは、私だけではないはずです。
注:この記事は単行本発売前の雑誌掲載時に書かれたものです。引用した画像や解説は、雑誌掲載時のものになります。
■大彼女
[img]■月刊ヒーローズ 2013年07月号
[img]
[ 前の作品 ]
[ 作品リストに戻る ]
[ 次の作品 ]
ライブラリで紹介した作品の検索ができます