キングサイズ

原題:Kingsize

ジュリアス・マチュルスキー監督作品

あらすじ

妖精の国には自由はなかった。絶対君主制度のきびしい生活を強いられた世界だった。妖精たちは身長が7cmほど小さな体。しかし、ある薬を使って人間と同じ大きさになることができた。

あるとき人間が着ていた服だけを残して消える事件が、連続して次々と発生した。実は消えた彼らは妖精だった。彼ら彼らは本来のサイズに戻ってのだ。人間と同じサイズでいられる薬を手に入れるのが困難になったからだ。

登場人物

オーロ

主人公オーロは、男の妖精です。なんとなく妖精というと、羽の生えた女性のイメージが強いのですが、ヨーロッパでフェアリーというと小さな妖怪のイメージといったほうがしっくりとくるかもしれません。

巨大化したオーロは普通の人。どうみてもただのおっさんです。

オーロがアリスを起こすため、ベッドに這い上がっていくシーンや、アリスの体の上で跳ね回るシーンは印象的です。

アリス

あるきっかけから、妖精たちの事件に巻き込まれてしまう人間の女性。

アリスの目の前で小さなオーロがアヒルのおもちゃに乗って、一緒のお風呂で楽しむシーンが印象的でした。

解説

この作品は、1989年第17回アヴォリアッツ国際ファンタスティック映画祭で審査員特別賞を受賞しています。この映画祭では多くのSFX映画がノミネートされ評価された中での審査員特別賞の意義は大きいと思います。

ポーランドのSFX映画を見る機会はあまりないと思います。SFXそのもののできばえは、特別良い訳ではありません。しかし物語が面白く、それほど気になることはありません。かなりの低予算で作られたのだと思いますが非常に丁寧に作られ、制作側の意気込みの高さを感じます。

映画に物語の進行とは関係のないラブシーンが挿入されることは良くあります。この映画でも、それに相当するシーンがあります。普通のラブシーンではありませんが、小さなオーロが、アリスの体を登ったり滑ったり楽しむシーンは、とても印象的でした。

妖精たちが巨大化して現在の人間世界に密かに住んでいるという話は、ありそうでいながら映像化された作品は、他に無いと思います。コミカルタッチでテンポも良いこの映画は、一見の価値があります。

Published : 1999.05.18
Update : 2007.08.22

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