宇宙怪獣 ガメラ

SUPER MONSTER

湯浅憲明 監督作品

あらすじ

宇宙海賊ザノン星人。

彼らは宇宙を放浪し、略奪の限りを尽くしていた。そして次の目標に地球を据えたのだった。しかし地球には平和を愛し、平和の為に地球に尽くそうとしている宇宙人達がいた。ザノン星人は、それを知っており、その宇宙人達に計画を邪魔されないようにするため、あるいはその宇宙人達を始末するために女性ギルゲを尖兵として送り込んだ。

その宇宙人とはM88星からやってきた、キララ、マーシャ、ミータンの3人の宇宙人だった。彼女達は、地球人と同じ体に変身し、ひっそりと暮らしていた。

M88星人の出方が気になるザノン星人らは、直接地球を攻撃せずに、超音波怪獣ギャオスを送り込む。しかしM88星人たちは、怪獣ギャオスに対抗する有効な手だてが無かった。彼女達は非武装だったのだ。有効な手だてを模索する最中、圭一という少年の話を利用することにしたキララ。その話とは、地球の危機を救う怪獣ガメラの伝説だった・・・

解説

大映特撮映画といえば、大魔神とガメラ。旧シリーズ7作は、評価も高く、もっとも大映らしい作品と言えるでしょう。この宇宙怪獣ガメラは、その旧シリーズのフィルムを拝借してリメイクしたものです。

ハリウッドで低予算で映画を作るとき、すでに作品として出来上がっている映画のフィルムを頂戴するのはよくあるところですが、この作品も低予算で済ますため旧作品からフィルムを頂戴して新しく撮り直したものを合わせて製作しています。そのためか、ストーリー展開的に無理があります。当時の大映の台所事情から考えると、このような手法で作品を仕上げる必要があり、涙ぐましい努力が見えてくるようです。作品の上映時間を稼ぎ、他の作品の宣伝広告費を予算に組み込んでまで作品を仕上げる必要があったのでしょう、当時流行っていた宇宙戦艦ヤマトや銀河鉄道999、そのCM性をカモフラージュするためかスターデストロイヤーもどきも登場します。ある意味で非常に貴重な作品になっています。

この作品のどこに巨人がでてくるのか?

この作品に出てくるのは巨人ではなく、小さな宇宙人です。正確には小さくなれる宇宙人が登場します。この宇宙人のリーダー役に元女子プロレスラーのマッハ文珠氏が演じ、この映画の呼び物的な存在になっています。とはいえ、活躍らしい活躍はありません。最初に解説したとおり、ガメラの出てくるシーンは旧作品の使い回しなので、そこい宇宙人を絡ませることができなかった事情があるからです。そこに特撮映画らしさを出すために、宇宙人が小さくなって子供と絡むショットを考え出し、脚本に組み入れたのではないかと考えられます。実に涙ぐましい感じがします。

Published : 2000.03.13
Update : 2004.09.17

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