まだ蒸気機関車がなかったころ、大きな森に1組の夫婦が住んでいました。
夫で働き者のきこりでした。ある日のこと、森一番の古い大木を切ろうとすると、森の女王が来て、もし木を切らないと約束してくれるなら3つの願いを叶えてくれると言いました。きこりは、約束することを誓うと、一目散に家に帰りました。
家は貧しく、今日の食事もキャベツでした。夫がソーセージが食べたいと不平を漏らすと、食卓の皿の上に大きなソーセージが。おどろいている妻に美しい森の女王に出会ったことを話しました。ところが、美しい女王という言葉じりだけを捕えた妻が、そんなに好きならソーセージを鼻につけてればいいと怒りに任せて言ってしまいます。すると、皿の上のソーセージは夫の鼻にくっついてしまいました。しょうがなく、夫が元の鼻に戻すように願うと、元通りの鼻に戻りましたが、これで約束の3つの願いを使ってしまったということです。
しかし夫婦が本当に欲しいと願いたかったのは、子供でした。夫が、小さな願いならきっとオマケしてくれるよと、妻を慰めました。その夜、願いは聞き届けられ子供が夫婦の家を訪れます。小さな願いとして聞き入れられたので、子供は手のひらに乗ろような小さな子供だったのです。