イギリスはソールズベリーのいなか町。町はずれの古いお屋敷。もと貴族、コンウェイ家の朝から、物語は始まります。
ルネとクライドは相思相愛。ルネはコンウェイ家の一人娘。クライドはコンウェイ家の使用人。立場の違いなどふたりには全然関係のないことだった。その朝コンウェイ家の当主、つまりルネの父に見つかるまでは、二人の間になにも問題はなかった。
二人の関係を知ったルネの父は、二人の交際を認めようとしないどころか、クライドを首にしてしまったのです。そしてその夜、ルネの部屋の窓の外に現れたクライドは
「3年、3年たったら迎えに来るよ」
と言って、ハンブルグのおじさんの会社に勤める決意をルネにするのだった。ルネとしては、駆け落ちも辞さない覚悟だったのだけれど、クライドにいさめられて家に残り、クライドが迎えに来るのを待つことにしたのだった。そして月日は流れいった。
ある日、クライドのおばあさんが過労のために倒れ、ルネはクライドに一度戻るように手紙を出した。ところがその手紙は転居先不明で戻ってきたのだった。ルネは自分がハンブルグに行き、クライドの消息を確かめることを決意、ルネは髪を切り、男の子の格好をして父に内緒で家を後にした。