電脳淫魔モデムちゃん

摩周子 作品

あらすじ

20世紀に入り人類は、電気製品抜きで生活できないほどに、電気製品を利用するようになった。その電気製品の電磁波が、人類を滅ぼそうとしていた。電脳淫魔界からの使者によって。

その使者こそ、モデムちゃんだった。

「さーいよいよ人類滅亡の大詰めよ。」

一気に電脳淫魔界に人類を呼び込むため、モデムちゃんはまず人類を一体化させるために、電磁波を使った。

すると、みるみるうちに電磁波が人々を取り込み、そして一体化していった。一体化した人類は、巨人となって街に姿を現したのだった。

「私も同じ大きさにならなきゃね。」

そいういうと、モデムちゃんは巨大化し、人類が一体化した巨人と同じサイズになった。人類が一体化したその巨人は、男の姿をしていた。その巨人に向かいモデムちゃんは、いきなりセックスを始めたのだった。何万人ものパワーがモデムちゃんの中に入ってきた。全員がフィニッシュを迎えたとき、それは人類の最期を意味していた。

「さあ、電脳淫魔界の入口…モデムのヴァギアナに入りなさい・・・」

そうして、人類は吸い込まれていった・・・

解説

この作品は連載作品中での最終話にあたります。

とんでもない結末ですが、女性性器に人類が飲み込まれていくという話は、いくつかのSF作品が同じアイディアから作られており、そんなに珍しい話ではありません。しかし多くの作品は、女性性器の表現をもっとシンボリックな表現にしており、ここまで露骨な表現をしているものはみたことはありません。性器描写にこだわるのは、この作品の掲載された雑誌の趣向に合わせて、話がHシーンに振らいるためでしょう。

人間は、これまで等しく女性から生まれてきました。男も女もすべては、母親から生まれてきました。その生まれた場所に帰っていく話のほとんどが、人類滅亡を指しています。そこに見られる共通点の意味するところは何でしょうか。こういった話を読むと、私はインド神話に出てくるシバ神を思い出します。シバ神は、想像と破壊の神様で、しばしば母親の象徴として様々な作品に登場します。これらに共通するのは回帰願望と死への恐れではないでしょうか。リインカネーションというのも、この系統に含まれる考え方だと思います。この作品は、そういった願望を情欲と煩悩という形で素直に表現していると思います。

記事公開日:2000.02.06
記事更新日:2004.09.17

月刊ビタマン 1997年11月号

発行 竹書房
発行日 平成9年11月1日発行
雑誌コード 雑誌07653-11
価格 定価350円税込
サイズ B5・中綴

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