仁王丸は、阿仁王と吽仁王の息子。仁王丸は人間の子だが、わけあって阿仁王と吽仁王の息子として育てられている。
阿仁王と吽仁王は、仁王丸を般若のところに預けようとするが、親の束縛を嫌う仁王丸には言いなりになって生活することなど考えたくもなかった。巨大化してまで仁王丸を抑え込もうとする般若から逃れた仁王丸は、己の力を信じて己の道を進もうとしていた。
般若のもとから飛び出した仁王丸は、宇宙の中心にあるという須弥山を目指した。仁王丸の知らないことではあったが、実は、それこそが仏に定められた道で、帝釈天と戦う運命を持っているということにほかならなかった。
途中の道筋で巨大な女性、嵐(ラン)に出会った仁王丸。仁王丸は何らひるむことなく、それどころか自分の数十倍もある巨大な女性を口説きおとした。