スクラップ学園

わーい根茎

吾妻ひでお作品

あらすじ

春、みどりの若草、小鳥のさえずり。今日は課外授業で山に写生に来たミャアちゃん。なぜか山中で立ち並ぶビルの絵を描いている。みんな思い思いの勝手な行動にはしる中、ひとりの生徒が竹の子を見つけて書き始めた。

「竹の子か・・・カツブシで煮つけにするとうまいんだよね。」

竹の子を見た先生が思わず口に出すと、生徒達は一斉に竹の子を探して食べ始めた。ミャアちゃんもあたりを探し始めたが、彼女の見つけたものは、小さなビルのように見える。

「先生、これはなんていったらいいんですか?」

「なんだその・・・ビルの子だろうな・・・」

ビルの子を見つけた後に、車の子、ディスコの子、喫茶店の子・・・次々と小さな建物やらが見つかって、気がついてみれば小さな街に小さな人々が往来していた。

「特撮映画みたい」

小さな街並みを見回すと、おいしそうなアイスクリームが売っている。アイスを買うために小さな銀行をブチ破りお金を手にしたミャアちゃん。その後は小さな街で大暴れするのだった・・・

解説

吾妻ひでお氏は度々大きな少女を描く。しかもどんなに大きくても可愛い少女を描く。ストーリー中に登場するのはもちろんのこと、扉絵も含めるといったいどのくらいの数があるのかすら把握できないくらいです。

スクラップ学園シリーズの主人公ミャアちゃんは、怠け者で我の強い性格です。優しい ところもありますが、我の強さから女王様的性格が出ることがあります。この話では、小人の国でミャアちゃんの女王様ぶりが発揮され、その傍若無人ぶりは怪獣なみのものです。小人のスーパーマン?も、まるで蚊のように扱ってしまいます。

大暴れしたミャアちゃんは、そのあとちっちゃくなってワラワラ大勢で登場しますが、冒頭の導入部と同様、オチも吾妻氏らしい感性のものです。

記事公開日:2000.03.13
記事更新日:2004.09.17

スクラップ学園 《第1巻》

発行 秋田書店
初版 昭和56年1月20日
商品コード 0171-402109-0028
価格 定価330円
サイズ 文庫・平綴
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