「どうして、こう女にもてないのだろうな」
女にもてない男がいた。男は電波天文学と宇宙言語学を研究していた。男は悲観的になることなく、地球の女にもてないのなら地球以外の女性にアプローチを試みるという、前代未聞のプロポーズ大作戦を敢行した。つまり「どなたか、交際してくださる女性のかたはいませんか」とう電文を宇宙に向けてばらまいたのだった。
その甲斐あって遠い星から返事が来たのだった。男と女は愛の通信を交わし続け、そして女は男と会うために高性能宇宙船で地球に向かったのだった・・・
「どうして、こう女にもてないのだろうな」
女にもてない男がいた。男は電波天文学と宇宙言語学を研究していた。男は悲観的になることなく、地球の女にもてないのなら地球以外の女性にアプローチを試みるという、前代未聞のプロポーズ大作戦を敢行した。つまり「どなたか、交際してくださる女性のかたはいませんか」とう電文を宇宙に向けてばらまいたのだった。
その甲斐あって遠い星から返事が来たのだった。男と女は愛の通信を交わし続け、そして女は男と会うために高性能宇宙船で地球に向かったのだった・・・
星新一氏の3冊目の単行本に収められたこの作品は、ショートショートらしい軽快な作品です。SFのショートショート作品はアイディア勝負なので、同じ内容の作品はほとんど見かけることはありません。しかし、これとよく似た作品がマンガにあります。
その作品は、楳図かずお氏の「闇のアルバム」という一連の作品の中のひとつ「空より」です。
非常に似通ったシチュエーションのこの二つの作品は、一方はブラックジョークで、もう一方が恐怖マンガという極端に違った趣に仕上がっています。これほどまでに内容が似ていながら、それぞれ作家の作風に合っているため、まったく別の味わいを楽しむことが出来ます。どうせ読むなら、二つの作品を読み比べて頂きたいと思います。
ところで、この作品のどこがこのライブラリの趣旨に合うかなんて、野暮なことは聞かないでください。読めば判りますから。
記事公開日:2001.01.17
記事更新日:2004.09.17
発行 | 新潮社 |
改版 | 第37版平成元年4月15日 |
ISBNコード | 4-10-10980-9 |
価格 | 438円 |
サイズ | 文庫・平綴 |
初版 | 昭和36年12月 |
備考 : 中央公論社 早川書房SFシリーズ収録 |
昭和43年6月 |
入手情報 | Amazonで商品チェック |
ライブラリで紹介した作品の検索ができます。ご利用ください。