倭守夕子(しずゆうこ)は、特殊な力を身に付けた霊能力者だった。倭守の名前を継ぐものはみな強力な霊能者だった。
ある日、妖怪退治の依頼があり、辺鄙な田舎である見下し村にやってきた。村に入るなり夕子の目に入ったのは村の異様な光景であった。家という家は壊れ、まともな家は見たところなさそうだった。
実は妖怪というには、身の丈が10mもある巨大な鬼だったのだ。鬼は厳重な封印の基に寺に安置されていたのだが、この寺の住職はこの寺に来たばかりで勝手がわからないままに、封印を誤って解いてしまったのだ。古文書によって、この鬼を封印する方法がわかった。それには法力か霊力を持つものが2人必要だということで、夕子に依頼があったのだ。
その古文書に従い夕子の体に直接経文を書く必要があった。くまなく経文が書かれたとき、見上げ鬼が現れた。夕子はひるんだが、和尚がお経を唱え始めると夕子の体は巨大化していった。夕子が気づくと、自分の巨大化した体は見上げ鬼と同じ大きさになっていたのだった。