縮小プロセスは、この作品の見せ場の一つ。非常に良く考えられた緻密な行程です。その様はロケットの打ち上げに匹敵するものです。無論、ロケットの打ち上げを意識しているのはまちがいありません。ここで簡単に紹介しておきましょう。
見せ場を紹介するとは何事だ!と怒られるかもしれませんが、実際にご覧いただければ判るとは思いますが、そのシーンは美しく何度見ても飽きることはないので予習をしておくのが良いかと思います。
搭乗員を潜水艇に乗せ、そのまま縮小。巨大な実験室のような部屋の中央に潜水艇。その上から縮小光線がシャワーのように注ぎだすと、縮小が始まる。
潜水艇が数センチの大きさに縮小したところが、第一段階。次は潜水艇を注射器に入れてから、注射器ごと縮小する。そのための作業が左の写真。テーブルの上にある潜水艇をマニュピレータで持ち上げるところ。右奥に見える人がマニュピレータのオペレータ。左側の人の指示でマニュピレータを操作する。潜水艇から見える窓の外の景色は、巨人となった作業員の顔で覆われる。
縮小前の巨大な注射器。注射器中央にかすかに見える白い点が潜水艇。この状態でさらに縮小される。
注射器も縮小され、普通の注射器の大きさになった。その注射器の先端に注射針をセットしているところ。この状態では潜水艇の窓からは、注射器の外はよく見えない。潜水艇はすでにミクロサイズ。外部はあまりに巨大すぎる別世界となってしまった。
マニュピレータで所定の位置に注射器をセット。けい動脈に潜水艇を注入する。患者の頭部を覆うように、小さなレーダーが配置され、手術室は緊張に包まれる。その後、司令部からのゴーサインにて、潜水艇は患者の体内に注入された。